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一泊二日温泉旅行に行ってみた【実l況l者/全l身l組】

第2章 3 months ago


reto side

事の始まりは3ヶ月も前のこと。
たまたまやってた福引のガラガラで
たまたま金ピカの玉が出てきて大当たりで
たまたま高級温泉ペア宿泊券だった。

普段こんなの絶対やらへんのやけど。

あぁこんなとこで運使ってもうた、てのが
一番に思い浮かんできた。
その後、あ、でも俺すごくね?
って嬉しくなったんやけど、
よくよく考えたら誰と行くん?
友達…?キヨくん…?
ないない!男二人の温泉旅行てキモいわ。

考えを巡らせて、両親に譲るかとも思ったけど、
ふと柚月ちゃんと行けたらいいなぁとか思ってもうて。
浴衣似合うやろなぁ…
一緒に温泉とか入っちゃったりして…
同じ布団で寝…いやいやいや!!!
俺たちってまだ健全な仲やし!うんうん。
色々妄想してたら、柚月ちゃんと行くことしか考えられんくなって。

ん、でもどう誘うん?
てか異性の友達と泊まりの温泉旅行とか…
そんなん下心があると思われる!
(あるけど!あるけれども!)

二人きりは(いろんな意味で)まずい。
せめてもう一人誰か、共通の友達…
で思い付くのはやっぱりあいつ。
悔しいけど、メールを送ってやった。

『◯月△日、旅行行くから空けといて』

ほんと俺ってヘタレでビビリでチキンやな…。
とりあえず返信を待とうと思ったら、
速攻で電話かかってきた。
ディスプレイに表示される“キヨくん”の名前。
通話を押すや否や耳に響く大音量。

「えっ、何何何?!どゆこと?!
俺ヒマじゃねぇよ?」

「っつ…!声でかい!
…んーじゃあ行かへんのやね。
柚月ちゃん来るのに。残念。またね〜。」

まだ柚月ちゃん誘ってないのに。
ヘタレな自分をごまかすため、つい嘘をつく。
柚月ちゃんの名前出せばキヨくんが食いついてくるのはわかってるから。

「え?え?ちょっと待って?
三人で旅行?泊まりの?マジで?!」

興奮気味のキヨくん。
ま、そうなるわな。
とりあえず経緯を説明する。
ペア宿泊券の分は俺と柚月ちゃんで使って、キヨくんの宿泊代金はもちろんキヨくん持ち。
キヨくんも結構ノリノリで、また今度詳しく話すってことで電話を切った。
さて、あとは柚月ちゃんを誘うだけ。
うーん、何て連絡しよう…。

結局柚月ちゃんにメールを送れたのは一週間後だった。
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