一泊二日温泉旅行に行ってみた【実l況l者/全l身l組】
第8章 am 2:34
……ん?!
…もしかして…
寝ぼけてるだけ…?
私って…ただの抱き枕?!
なんか無駄に心臓動かした気がする…
絶対早死にする…私…
頭の中でブツブツと文句を言いながら目を閉じると、またキヨくんの声が聞こえてきた
「…好き、だよ…?」
二回目の好き
はいはい、どうせのぞみーるでしょ
と、半ば呆れて受け流す
そう言えばキヨくん、お酒も飲んでたしなぁ
酔っ払ってるのかも
「俺のこと、選んで…?」
長い寝言だなぁ、とちょっと感心しつつ
しばらくこのままにしておいて、
眠ったところで体を離そうと考えていると、
次の寝言が聞こえてくる
余裕で構えていた私に
またあの感覚が呼び戻される
「…レトさんじゃなくて…
俺を、選んで…。」
え…?
キヨくん…
それはどういう…?
また胸の奥がざわざわする
寝言なのか、わざとなのか、
どちらにしても私に対しての言葉であることは間違いなくて
体を擦り寄せるようにしっかりと抱かれ、
その意味がリアルなものに変わると、また熱を帯びてくる体
この高鳴りが辛くて
でも逃げられなくて
拒めない自分の気持ちが何なのか
うまく説明出来ない
何か答えなきゃ…
でも考えても考えても良い答えなんて浮かばない
私は何を守っているんだろう…