一泊二日温泉旅行に行ってみた【実l況l者/全l身l組】
第6章 pm 6:11
「おっそ!!!!!」
旅館に戻ると案の定レトさんは不機嫌
なだめる私
自慢するキヨくん
…て、状況が悪化してるし!
私たちが出かけた後、しばらく横になっていると良くなってきたそうで、連絡するもLINEは未読無視だし、今更追いかけるのも面倒だしってことで、結構暇を持て余していたみたい
一人でまた温泉入って、携帯ゲームしていたそう
そして浴衣姿になっていたレトさんは、いつもとは違う雰囲気
大人っぽいというか、色っぽいというか…
「まぁ、柚月ちゃんが楽しんでくれたんなら良かったけど。
…てかキヨくん、柚月ちゃんに変なことしてへんよな?」
ピクっと肩が揺れる
動揺したのはキヨくん、ではなく私
「んー、すげぇ色々した!」
冗談なのか本気なのかわからない返答に、更にドギマギする
キヨくんは牛タンソフトクリームや散策をした場所をレトさんに話している
もちろん神社での出来事は言わずに
その内、夕食の時間になり、旅館のスタッフが食事の準備をしに部屋を訪れてきた
高級旅館だけあって、とにかく豪華
しかもメインに蟹料理が振る舞われレトさんはすっかりご機嫌になっていた
食事を終え、再びスタッフが片付けと布団の準備をしに来る
時計を見れば、まだ9時前
美味しいご飯を食べ、お酒を飲んで、ひたすらダラダラ過ごす
何もしないってなんて贅沢なんだろう
それから三人で今日あった出来事やいつもの何でもないような話をしている内、今日の疲れが出たのかキヨくんが眠りかけていた
「キヨくん、疲れてたのかな。」
「かもね。柚月ちゃんも疲れとるんやない?」
「んー、大丈夫だよ!
それにもう一回温泉入りたいし。」
「あ、じゃあさ、ここの露天風呂、一緒に入らへん?」
へっ?と間の抜けた返事に、レトさんが焦って付け加える
「あ、いや、足湯!足湯でね!」
…そ、そうだよね、レトさんがそんなこと言うわけない
内心ドキドキしてしまった心臓を落ち着かせる
この部屋の露天風呂は岩風呂になっていて、岩の大きな所に座れば、足湯ができるような造りになっている
完全に寝入ってしまったキヨくんに布団を掛け、
私とレトさんは露天風呂のある庭へと出た