第1章 青と黄色の少年
樹輝side
俺の名前は古賀樹輝(いつき)。
現在、高校3年。
将来の夢も進路も決まってない。
今日もいつもと同じつまらない1日が始まる。
正直、こんな人生うんざりしている。
幼い頃に両親を殺され、養子として引き取られた。
今は一人暮らしをしている。
けど、そんな1日の中でも唯一興味を持つ事がある。
登下校している途中、ある不思議な建物がある。
施設のような……少し不気味な感じの白い建物。
その中から窓側に立ちこっちを眺める白い服を着た少年がいる。
たぶん、俺より3歳くらい年下。
何故かその少年はいつも俺を眺める。
登下校どちらもだ。
右側の目は髪で隠れて見えないが、左目は青い目をしている。
日本人には珍しい綺麗な青だ。
髪は黒髪。
肌は白く、柔らかそうな感じだ。
俺は何故かその少年に惹きつけられた。
その目に吸い込まれそうな感覚。
その少年はいつも無表情で窓ガラスに手を置いたまま動かない。
そのまま家の主らしき男に手を引かれてカーテンの向こう側へ消えてしまう。
たぶん、俺はその少年に惚れている。
別に俺はゲイではない。
もちろん今までも異性を好きになったことしかない。
けど、この感覚……
間違いない。
俺をこのつまらない日常から抜け出させてくれる気がした。