第15章 ☆Story13☆ コンサート当選
太輔side
ゆり達がまだちょっと眠りにつく前……
『ゆり、今頃何してるのかなぁ……もう寝たかな?』
「寝たかもしれないけど……もしかしたら、
まだ起きててアレンジの仕事とかセリフ覚えしてるかもな……」_ゴクッ
太輔はソファーに座り、レモンティーを口に運んでいた。
ちなみに百合は太輔の膝の上に乗っており、テレビリモコンを片手に持っている。
2人が見ているものは……
_TVの中
『はーい!今日は若者の聖地・原宿にやってきましたー!
今流行りのものを紹介していきまーす!』
『いえーい!』
画面には2人の若い男女。
『二階堂さんは、よく遊びにきているんですよね?』
『まぁね!そういうゆりちゃんは、最近ガヤと遊んで……
いや、デートしてたよね(笑)』
『二階堂さーん?』
『ごめんごめん!(笑)』
『やっぱ私の自慢の娘!可愛いわぁ♡』
「足をばたつかせるな。」
夫婦揃って愛娘が出演している番組を見ていた。ちなみに録画していたもの。
『……にしても、ゆりと藤ヶ谷くんのコンビ……公式でも押してる感じするよね……
でなきゃ、わざわざテレビで言わないよ……』
「確かに、そうだな……」
『……昔の私たちみたいだよね(笑)』
「昔の俺ら、ね……」
『まぁゆりは……やっぱりあの人が気になっているっぽいけど……』
「……お前も?」
『うん、なんとなーくだけどね。』
「……。」
(ゆり……)
『……やっぱ不安なの?娘に彼氏できるのが(笑)』
「っちが……!俺はただ……」
『ゆりは私たちの子だよ?
男の子を見る目だってちゃーんとあるよ!』
「……。」
こうして夫婦揃っての鑑賞会は終わり、太輔と百合は寝室に入っていった。
『おやすみ太輔!』
「あぁ。おやすみ、ゆり……」
『ふふふっ』_ムギュウゥ
百合は太輔抱きついた。
「ったく……(苦笑)」
(やっぱりぬいぐるみになっても、お前はお前なんだな……)
太輔は百合を包み込むように抱きしめそのまま眠りについた。