第12章 ☆Story10☆ 縮まっていく距離
太輔side
食事が運ばれてきてからも、ゆりはLINEで誰かとやりとりを続けていた。
それから少ししてゆりはテーブルにスマホを置いた。
「……随分、楽しそうだったな。
藤ヶ谷くんか?」
ここでそうだと言われたら少しショックかもしれない……
「ううん、同じ学校の子!」
どうやら相手は学校の友達らしい。なので少しホッとした。
「学校の方も、充実してるようで良かったよ。
こないだ家に通知表届いたけど、だいぶ成績よかったな。」
「ありがとう!」
テストの通知表は、郵送を通して親の元に届く仕組みになっている。
ついこないだも前期の成績表が届いた。
成績は全て5段階中4以上。定期テストの方も、80点以上をキープしていた。
仕事が忙しいだろうに、よくここまで成績をキープできているなと感心している。
きっと、仕事の合間とかにも勉強をしているんだろう……。
「そういえば、陸くんってパパの学校に来ることになってたよね?
確か、夏休み明けだっけ?」
「あぁ、来月くらいに来るみたいだな。
まさか、当時ママの幼なじみだった2人も同じ学校に勤務なんて、想像つかなかったけどな(苦笑)」
「2人とママは、小さい頃から幼馴染だったんだよね……」
「あぁ。ついでに言うと、どっちもママのことが好きだったよ。」
「ママ、ほんとモテモテだったんだね(笑)
当時の柊さんだってそうだったみたいだし。」
「……それ、本人から聞いたのか?」
(俺は特に話した記憶はないが……)
「勇気さん!一時期すごい話題になったって。」
「なるほどな(苦笑)」
(なら納得……)←