第12章 ☆Story10☆ 縮まっていく距離
ゆりside
パパが席を外したところを見計らって、私は三船さんにLINEのメッセージを送ってみた。
『こんばんは。試合の方はどうでしたか?
怪我の方も大丈夫ですか?』
すると、30秒くらい経った頃に返信が来た。
「……。」
(もう返信きたってことは、すぐ気づいてくれたってことだよね……)
LINE開くと……
『準優勝。まぁまぁってところだ。』
『怪我も支障はない。心配しなくていい。』
「っよかった……何事もなくて(微笑)
準優勝……すごいなぁ……でも、ほんと惜しいところだなぁ……」
『準優勝おめでとうございます!(o^^o)
でもあと一歩のところで優勝でしたね』
『そうだな、もっと攻めていたら
できていたかもな。』
『三船さんの実力は本物です!
これからも頑張ってくださいp(^_^)q』
私はできるだけ顔文字を使った。
『ありがとう。』
「や、やばい……そろそろ話題切れちゃう……
何か別話題に持ってかないと……」
ゆりが次の話題を考えていると……
『今は何してるんだ?』
「ぇ……」
(まさか、三船さんが……)
予想外の返信、てっきり話題を振らなければあのまま終わりそうだったのに、
今度は三船さんから質問……
すごく、嬉しかった。
私のことを、気にかけててくれていると思うと……すごく……
私はつかさず返信の内容を送る。
『打ち合わせが終わって、
ドルチェのメンバーとその家族で
食事会をしてるんです!』
『随分賑やかそうだな。』
『ですね(笑)
三船さんは何しているんですか?』
『俺も吾郎と似たような感じ。
ソッテリアにいる。』
「ソッテリアってことはファストフード店か……
いいなぁ……ファストフード店なんて、そう気軽に行けないもんな……でも、」
(でも、いつか三船さんと……私が普通の女の子としてお出かけできたらいいな……
ファストフード店でハンバーガー食べながらお話しして、ゲーセンで遊んだり……)
そんなことも妄想してみたりする。
妄想が膨らむなか、パパは戻ってきた。
「……友達か?」
「ほえ!?
ぁ、パパおかえり……うん、お友達(苦笑)」
びっくりしたぁ……汗