第9章 ☆Story7☆ 主演ドラマは…
そしてゆりは自室に帰った。
ずっとぬいぐるみとして今日一日過ごしていたユウは勢いよくバッグから飛び出した。
『ずっとぬいぐるみのふり疲れたー!
お腹すいたよ……ゆりちゃん!何か食べたい!』
「もう9時過ぎだよ……?
ご飯とかは特に炊いてないし……」
『なんでもいいから食べたいのーっ!』
「はいはいわかったよ(苦笑)
……カロリーメイトでも大丈夫?」
『うん!』
「それじゃ、ちょっと待ってて。」
ゆりは戸棚からカロリーメイトを取り出し、ユウに渡した。
「はい、フルーツでいい?」
『うん!ありがとう!』
ユウは余程お腹空いていたのか、勢いよく袋を開けカロリーメイトを口に運んだ。
「……さて、私はレモンティー飲も。」
ゆりも一息つくことにした。
『にしても、パパが色々わかってくれてよかったね。』
「うん、もしあそこでぬいぐるみを返せとか捨てろって言われていたら……
どうなっていたのかな……」
『さすがに捨てるはないでしょ!
でも、これで安心して一緒に居られるね!』
「油断大敵……どこがで気を許して、変な人に目をつけられるんじゃない?」
『親衛隊にしょっちゅう追いかけられているゆりちゃんに言われたくないもんねー!』
「っあれはあの人たちが勝手に……!」
『でも、三船くんと知り合うきっかけになったんじゃん?(笑)』
「っなんで急に三船さんが出てくるのよ……!」
『……ゆりちゃん、タブレット貸して!』
「なんでよ……」
『いいから!』
「……。」
ゆりは渋々ユウにタブレットを渡した。
そして器用に文字を入力していき……
「……。」
(き、器用……汗)
『これ見て!』
「……。」
ユウはタブレットをゆりに見せる。
「全国高等学校、総合体育大会ボクシング選抜大会……?
これが……どうかしたの?」
『どうにもこうにも!この大会に三船くんが出場するの!』
「っ……!?
み、三船さんが……」