第1章 プロローグ
『……大好きだ
何かあったら、俺が絶対に助けてやる』
大好きな彼はとても優しい
私は彼のそんなところが好きだった
____彼の本性を知るまでは
『……ほら、全部見せてみろよ
その怯えた顔も、泣いた顔も、全部な……』
彼は二人きりの時にだけ
楽しそうな笑みを浮かべ
私にいじわるをしてくる
私がどれだけ嫌がっても
これは愛情表現だから、と
やめることをしなかった
____でも
『…お前は、世界で一番大切な奴なんだ……
俺がお前を大切にしない訳ないだろ…………
大好きだ……ずっと、お前だけ…………』
そんな彼が時々見せる"優しい顔"があるから
時々囁く"優しい言葉"があるから
今日も明日も、ずっと先も
私は彼に
______溺れていく