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【イケメン王宮】氷の魔法にかけられて

第4章 *目覚めの時と暗闇*



ユイのこんな姿は見せられない。咄嗟に自分が羽織っていた上着をかぶせるとアランが声を荒げて部屋へと入ってくる。


「ルイ…!ユイ…!」


アランはすぐさまリアム王子を見つけ、剣を突きつけたがすぐさまその様子がおかしいことに気づいた。


「おい……こいつ…なんで倒れて…」


「分からない……急に倒れた」


俺がそう答えるとアランは横たわっているユイに目を向け、俺と同じように、言葉を失くした。


「ルイ……ユイは……」


「意識を失ってる。ユイは俺が連れていく。アランはそいつを頼む」


なんとか、怒りと無力感と色々な感情が入り交じり震えそうになる声を絞りだす。
アランは何か言いたげだったが、何も言わず静かに頷いてリアム王子を拘束し小屋の外へと連れていった。


「馬車を二つ用意してある。先に行け」


「ああ、分かった」


まだ火照っているようなユイを抱き抱えようとすると、ふとユイの目から乾いた涙が零れ落ちた。


「ごめん、ユイ、ごめん」


上着をユイの体が完全に見えないように掛けなおして、アランの前を通り過ぎ、俺は急いで馬車に乗り込んだ。


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