第7章 鳥籠の少女
私とイシュダル様は人気のない場所でクリストファとレイチェルに話をきく
「あの!なんでもしますからどうか、リリス様をお助けください!」
「……リリス様は私達の光なの」
クリストファとレイチェルは涙を流しながら私にお願いしてくる
「話を聞かせて。」
クリストファは泣きながら口を開いた
「リリス様は少し前、愛する母をなくしたのです……それから、私達によくあたるようになり、知っているかと存じますが
リリス様は私達をいじめていたのです」
「でも、リリス様はリリス様。きっとすぐに優しいリリス様に戻る」
レイチェルがそう言った
「「私達は彼女を信じているから」」
それは嘘偽りでないとすぐにわかった。
「なぜだ、なぜそこまで」
イシュダル様は不機嫌そうにそう言うとレイチェルが胸をはって、凛々しい態度をとった
「リリス様は私達を泥のそこから救いだしてくれた、命の恩人だからよ!!」
私は息をするのを忘れてしまう。リリスは悪役なんかじゃない、リリスだって人間なのだ。
「イシュダル様…このことは…内密に
エスト様にはリリスが暗殺計画をしていたことは秘密に、てきとうにごまかしておいて欲しいと伝えて」
イシュダル様は目を見開いた
「なぜだ、お前はリリスに殺されかけたんだぞ」
「イシュダル様!お願い」
私はイシュダル様の胸蔵を両手でつかんだ
「救える人間は救うのよ!!」
リリスはまだ救いだせる。そして……クリストファやレイチェル、リリスを必要としている人がいる
なら、私は彼女達のために何かをしたい。
「レイチェル、クリストファ、絶対に貴女達の恩人は助け出してみせるわ」
「「っ……ありがとう」」
2人の瞳は潤んでいた