第8章 最期の言葉
あれから数日、俺は笑顔の紗奈の写った祭壇を目の前にただ呆然と立ち尽くしている。
あの夜、救急車で運び出されたのはやはり紗奈だった。
救急隊が到着した時には既に心肺停止の状態だったらしい。
そして、紗奈には大量の精液が付着していたとの事。
第一発見者の母親が警察と救急に連絡をした。
夫と連絡がつかないとし、目下捜索中との事だ。
「ごめんな、俺、結局お前を苦しめただけだった……これじゃ、アイツと一緒じゃないか……」
俺は悔しくてたまらなかった。
あの時、紗奈を1人にしなければこんな事にはならなかったかも知れない。
俺はずっと後悔していた。