第8章 【犬系】×【放置】
「空ー。イベント終わったよ。」
「…すー…すー…」
「起きて。狸寝入りしてるの、バレてるよ?」
「えー?なんで分かるの?」
折角俺の気持ち分かってもらおうとしたのに。
「いつもの独特な寝言が無いから。」
「何それ!」
やれやれ、と溜息を付く雨衣に、俺は少し怒っていた。
「寂しかったんだから…」
「お詫びにキス、してよ。」
「えっ。」
それ位してくれないと、俺の怒りは収まらないから。
「…しょうがない。」
ちゅ、と音と同時に唇に柔らかな感触がする。
「さっきはごめん…これでいい?」
なんて言う雨衣は優しくて可愛い。
だから俺も、つい許してしまう。
「これからは放置とかしないでよ…?」
「ゲームばっかりじゃなくて…俺のことも見て欲しいから。」