第33章 【内気】×【控え目彼氏】
「好きです!付き合ってください!」
私が勇気を振り絞って伝えた言葉の最初の返事は、
「…えっ…俺?」 だった。
「空くんが良いの!」
私がそう言うと、ふわり、柔らかく笑って言った。
「そっか。嬉しい、ありがとう。
…えっと、俺も好き。だよ。雨衣さんのこと。」
空くんは、すごく優しくて、格好よくて。
でも、引っ込み思案で、大人しくて…。
空くんは素敵な人なのに。自分を過小評価してて。
自分の魅力を分かってない。
だから偶に、「本当に俺で良いの?」 とか 聞いてくる。
…私は空くんが好きなのに。
「空くん!こっち、見て。」
「…え?雨衣さん?ど、どうしたの。」
「まだ俺で良いのかなって思ってる?」
「…!………うん。」
驚いた表情を浮かべて すぐに頷く。
やっぱり。私が何度言っても、信じてくれないんだから。
「…空くんは、私の事好き?それとも無理して私と付き合ってくれてる?」
「…!そんな事ない!俺はちゃんと、雨衣さんが好きだよ。」
「ありがとう。…私だって、それと同じ。空くんが好きなの。
他の人じゃ絶対ダメ。空くんがいいの。だって…。」
私が空くんの魅力を話そうとすると、
空くんは顔を真っ赤にして慌てて言った。
「わ、分かった!分かったから…。えっと、それ以上言われると…恥ずかしい…。」