第8章 8.魔法の言葉
靴下を脱ぐと、足が擦れて真っ赤になって
見てるだけで痛々しかった。
ベンチに座って足に絆創膏を
貼ってくれてる二宮くん
『ごめん……ね?』
二宮「いいですよ、別に」
『二宮くん』
二宮「ん?なによ。痛いの?」
『うんん、大丈夫。ありがとう』
二宮「いいえ」
二宮くんのいる位置は智くんの位置で、
いつも私の傍にいて助けてくれる。
昔、智くんもこうやって絆創膏を
優しく膝とかに貼ってくれて……
二宮「……また泣いてんの?
泣くのやめたら?面倒なんですけど」
『ごめん……っ……止める』
二宮「出すんなら一生分出しなよ」
『え……?』
その瞬間、二宮くんの目が急に優しく
私のことを見つめてきた。
二宮「苦しいんでしょ?」
その魔法の言葉に溜まっていた涙が
全部出てきた。