第1章 オフ会、しません?
湊が部屋を出て行ってから20分がたった。
ドサドサと急いで階段を上がる音が聞こえる。
「ただいま」
という言葉と同時に湊が部屋にもどって来た。
「どこ行ってたの?」そう私が聞くと迷いもなく
「コンビニ。」という。
湊の片手にはさっきと同じコラボ菓子が10程と普通のお菓子がすこし。それから対象お菓子を買うともらえる特典が一つだけはいっていた。
私は驚きながら「ねぇ、まさかとは思うけど残ってたの全部買ってきたの?」そういうと
「あぁ。悔しかったからな。どうせ買う予定ではあったし。」
といってガサガサと袋からお菓子を山ほど取り出す。
私はさらに「え、でもお金はどこから。ってか何箱買ったの。」と怯えながら「小遣いの貯金とバイト。まだ残ってるからそこまでは困らねぇよ。何箱ってそりゃ残ってたの全部だからなえーと12箱。」そういって余裕な顔をする。
強い。強すぎる。そう思いながら見つめていると私の目の前にそのうちの半分、六箱が並べられる。
「これは?」そういうと「お前の分。今日はおごりだ。」そういうので私は「え、でももらっていいの、こんなに。」とすこし驚いてあたふたしていると「この前賭けに負けてなんかおごるつったろ。それでちゃらな。」と歯を見せて笑う。
私は「ありがと。」そういって箱を開けていく。
3箱目だろうか。
ちらりとピンクの色が顔を出した。
これは!と思うとやはり伊緒くんで。
私は「あっ、あっ、あっ、い、い、い、い、い、伊緒くん!」そう私がいうと
「よかったな。」そう沈みながらいう。
すでに向こうは六箱ともあいていて。そこに緑色は見当たらない。
私は「ほい」そういって残りの3箱と自分が先ほど出した想多くんのキーホルダーを湊の前に出した。