第11章 私たちなりのエピローグ
数年後
私たちは社会人になった。
今でも湊とは付き合っている。
「湊~、起きて。会社遅刻するよ?」
そして現在では同棲していて、二人仲良く暮らしている。
朝、テレビをつければ
『本日は現在人気沸騰中のモデル、白野 雛斗さんにお越しいただきました~!』
『白野 雛斗です、今日はよろしくお願いします。』
かなりの頻度で雛斗くんが写っている。
あれから数年、私たちはもちろん、周りの人間も変わった。
例えば由利さん。
あのあと神藤先輩と付き合うことになり去年神藤先輩と結婚したそうだ。
由利さんには結婚式に来てほしいといわれたが、私自身の仕事なども忙しく、私と彼女の間柄はもともといいものではない。
なので、お誘いはお断りした。
連絡先は知っているものの、連絡を取ったりはしない。
けれどSNSで幸せそうにしている姿をよく見る。
あの時、ああしてよかったと心から思った。
雛斗くんはパリから帰国後、日本のありとあらゆるファッション雑誌で引っ張りだこになっている。
不意にテレビをつければテレビにも出ていたりとまさに売れっ子だ。
最近、ワイドショーで女の人とデートしていたと報道されたが、彼も本気のようでワイドショーにでていることはダメなことなのかもしれないけれどよかったなと思う。
私たち自身はというと
私も湊も別の一般企業に就職した。
特に夢があったわけでもなく、普通に仕事をしたかった。
毎日黙々と自分の趣味のために働く。それが私たちのしたかったことなのだ。
現在は二人で仲良くコスプレなども始めた。
アイプリ等のコスプレを週末、イベントに二人で行き楽しんでいる。
あの時、私がkanaさんの誘いにのらなければ、私たちの現在の関係はなかったかもしれない。
もしこうなっていたとしても二人でコスプレしていることはなかっただろう。
あの時は一瞬『やらかした』と思ったが、ああなってよかったと今は思う。