【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第6章 DAY3【エドガー・ブライト】
AM6:00
微かな物音でレイアは目を覚ます。
(……何だろ…?)
「ヨナ?」
思わず名前を口にしてしまう。
少し離れたところから声が聞こえる。
「すみません、ヨナさんではありません」
その声にレイアは飛び起きた。
「!!」
朝の光が差し込む部屋の中。
ダイニングテーブルにはエドガーの姿があった。
「おはようございます。ヨナさんはランスロット様に呼ばれて入れ違いで戻ってしまいました」
「そうだったんだ…」
「…ふふっ。そんなにあからさまに落胆されちゃうとさすがに傷つきますねぇ」
エドガーはにこにこしながらレイアのそばへ歩み寄る。
「そ、そういう意味じゃなくて…」
そして、弁解するレイアの頬に手を添えた。
「……!」
「もうすぐ迎えの馬車が参りますから…そろそろ支度をして頂いてもよろしいですか?それとも…お手伝いしましょうか」
エドガーの指が夜着のボタンに伸びたのを、レイアは反射的に避ける。
「だ、大丈夫だよっ……自分でできるから」
「そうですか。では俺は外で待っていますね」
エドガーはそう言ってにっこり微笑むと、踵を返してそのまま外へ出て行ってしまった。
「………」
紳士的な態度なのに、どこか読めない。
本心を絶対に見せない、笑顔の鉄仮面を被った人。
(エドガーと24時間一緒なんて……ちょっと自信ない…)
長いため息をつきながらレイアは夜着を脱ぎ、ブラウスの袖を通した。
Edgar side--------
久しぶりにレイアの薄着を見て、エドガーは腹の底にいつも抱えている冷静な自分を失いそうになった。
(困りましたね……今からこの調子では)
自嘲の笑みを浮かべながら、エドガーは月小屋の方を振り返る。
一年前。
主の命でレイアを抱き、そしてアモン一派の魔法学者たちと戦闘をしたこの場所。
そしてまた
今、中にいるレイアは再び狙われる可能性がある。
(大丈夫ですよ、いざとなったら)
この命に代えてでも、ヨナさんとの未来を守りますから。
(それが俺の宿命です……)
遠くからやってくる馬車を見つめながら、エドガーは言い聞かせるように心の中で呟いた。