第11章 恋人
「フェ…? え…?」
「フェラ、だってば。
フェラチオ。」
「や、わかるけどっ…!」
…口で?
カズくんの口で、俺のを…?
「…ダメ?」
「………………ダメ、」
「なんで?」
「なんで、って…」
起き上がって身体を反転させようとするカズくんの肩を必死で抑えて食い止める
「されたコト無いの?」
「…っ、ある、けどっ…」
「ふーん… あるんだ」
あれ…?
なんかつっけんどん…
この場合、無いって言うのが正解だった?
「俺もする」
「ええっ!?」
「テクニックなら負けないし」
カズくん、ちょっと怒ってない…?
ってか、そこは張り合うところじゃないし!
「連れてったげるから…ね?」
「連れてく、って、どっ…どこに…?」
「天国。」
その言葉に。
ゴクリ、と喉を鳴らした
娼婦のような瞳をしたカズくんが
紅い舌を出して… 妖艶に微笑った