第2章 車内にて。

「そろそろ行くよー。環くんと壮五さん、一織くんと陸さんは私の車に乗ってね。」
「大和さんとナギさん、三月さんはこちらにお願いします！」

朝の準備を終え、メンバーを目的の場所へ送迎する。
今日は、一織と陸。大和と三月とナギ。環と壮五での行動がメインとなっていた。
いつもなら、送迎は基本紡が行なっているものの偶然にも全員を一気に動かさなければならない状況に陥ってしまった。
そこで急遽、私が運転する車にも何人か乗せることになったのだ。
全員が車に乗り込むまでに、何も起こらなかったら良かったものの...。

「お、今日は陽菜乃も車出すの？お兄さんそっちに乗ろうかなぁ。」

と、大和がこちらの了承を前に助手席に乗り込もうとした為ため息をついた。
何かと理由をつけて私に近づいてくる理由は何なんだろうか。本当に彼の気持ちは読めない。
「あー...じゃあ、ナギくんと三月さんもこちらへどうぞ。」
と、諦めてナギと三月を呼んだその時だった。

「お、俺も！」
陸が突然大きな声をあげ、驚いた私に含めその場にいた全員が彼に目線を向けた。