第20章 番外編:愛で地球を救え
緑谷「それでも強盗を続けようとしたヴィランはあなたを拘束。その間に警察が到着し、籠城しなくてはならない状況になってしまった」
ミッドナイト「な…なぜ私がそんなことをする必要が…!」
緑谷「止めたかったからじゃないんですか?」
ミッドナイト「……!」
緑谷「ヴィランを」
ミッドナイト「…っ」
緑谷「あなたが何度説得してもヴィランは悪事をやめなかった。だからヴィランが警察に捕まるようにしむけた」
麗日「待ってデクくん。事件がデクくんの推理通りだとしても、どうしてヴィランは殺されたの?」
轟「彼女はヴィランを止めたかっただけだろ」
飯田「ああそうだ。彼女にはヴィランを殺す動機がない」
緑谷「そう、動機はない」
「「…!」」
『あ、そっか。残る選択肢は1つ…』
緑谷「うん。この中に犯人はいないよ」
飯田「何だって!?」
麗日「どういうこと!?」
蛙吹「あ…もしかして…」
轟「自殺…か」
緑谷「恐らく。ミッドナイトの思惑を知ったヴィランは…それでも逃走しようと考えていた。でも僕らプロヒーローが現場に来たから…」
飯田「観念して自殺を…?」
緑谷「違うよ」
飯田「!」
緑谷「ヴィランはこう考えたんだ。もし自分が捕まれば、自分とミッドナイトの関係が警察にバレるかもしれないと。そうなれば彼女の人生に暗い影を落とすから」
ミッドナイト「うっ……」
緑谷「だからヴィランは…自らの口を自分の手で塞いだ。ミッドナイトが真実を僕らに告げなかったのは…命をかけて彼女を守ろうとしたヴィランの気持ちに気づいたから」
ミッドナイト「うぅっ……うう…!うあぁぁぁぁ…!」
緑谷「だから…言えなかったんだ」
麗日「デクくん…もしかしてミッドナイトとヴィランは…」
緑谷「うん…」
蛙吹「悲しいわ…ミッドナイトは愛するがゆえにヴィランを救おうとして…」
飯田「そしてヴィランもまた…愛するがゆえにミッドナイトを救おうとしたんだな…」
轟「それがこんな結末になるとは…皮肉すぎるな…」
『辛いね…』
緑谷「これが…ヴィラン宝石店襲撃事件の真相」
爆豪「(何なんだこの茶番は…!!)」
相澤「よし、そこまで」