第19章 てめェの“個性”の話だ
目良《この被災現場でバイスタンダーとして救助演習を行ってもらいます》
峰田・上鳴「パイスライダー…?」
葉隠「現場に居合わせた人のことだよ。授業でやったでしょ」
八百万「一般市民を指す意味でも使われたりしますが…」
目良《ここでは一般市民としてではなく仮免許を取得した者として――…どれだけ適切な救助を行えるか試させて頂きます》
障子「む…人がいる」
モニターに映るのは瓦礫の中で血を流した老人や子供
砂藤「え…あァ!?あァア!?老人に子供!?」
峰田「危ねえ何やってんだ!?」
目良《彼らはあらゆる訓練において今引っ張りダコの要救助者のプロ!!》
『要救助者のプロ…』
目良《「HELP・US・COMPANY」略して「HUC」の皆さんです》
「色んなお仕事あるんだな…!」
「ヒーロー人気のこの現代に則した仕事だ」
目良《傷病者に扮した「HUC」がフィールド全域にスタンバイ中。皆さんにはこれから彼らの救出を行ってもらいます》
『(これって…)』
目良《尚、今回は皆さんの救出活動をポイントで採点していき、演習終了時に基準値を越えていれば合格とします。10分後に始めますのでトイレなど済ましといて下さいね―…》
飯田「緑谷くん……」
緑谷「うん…」
飯田「あの時俺たちは爆豪くんとくんを敵から遠ざけ…プロの邪魔をしない事に徹した…その中で死傷者も多くいた…」
緑谷「―――頑張ろう」
『(頑張って……なりたいヒーローに…)』
尾白「」
『尾白くん…』
尾白「いつも余裕ありそうな顔してるのに……今日は強張ってるな」
『え、あ、そうかな…?緊張しちゃって…』
尾白「なら合格しそうだけどな」
『え…』
尾白「優しいし、強いし、思いやりがある。救助に向いてるよ」
『な、なんか照れるな…』
瀬呂「なーにイチャついてんだ~?」
尾白「イチャ…!?ち、違うよ!?」
『励ましてもらってたの、ガチガチに緊張しちゃってたから』
瀬呂「珍しいな」
『……いつもそんなに余裕あるように見えるの…私…』
瀬呂・尾白「見える」
『えぇー……』
話してると雄英に向かって士傑高校の生徒が歩いてきた