第18章 すれ違う心と縮まらない距離
そんなことを思いながら部室を後にし、廊下を歩いていると前から神原秋人がやってきて……
「あれ、春野さん。 博臣は見つかった?」
私に向かってそう尋ねた。
その言葉に私は首を横に振った。
「そう……。 なら、屋上は? 行った?」
「え、屋上……?」
「うん。 時々、そこにいたりするし、まだ行ってないなら一度行ってみたら?」
神原秋人のその言葉に私は頷きお礼を言って、急いで屋上に向かった。
「春野さん、頑張れ……!」
そんな私の後ろで呟いた神原秋人のその言葉は私の耳には届きはしなかったーー……。