第13章 私が博臣先輩を好きになるとかあり得ないっ‼︎
「何で目を逸らす?」
「ひ、博臣先輩が……ち、近いから……です……」
「なぁ、華菜」
「な、何ですか……?」
「キス、してみるか?」
「はいっ‼︎⁉︎」
博臣先輩の突然の発言に私は振り返った。
すると、博臣先輩の顔が真ん前にあって座っていた椅子ごと後ろに倒れた。
「うきゃっ‼︎⁉︎ 痛っ……」
「……すごい反応だな……」
博臣先輩はそんなことを呟いた。
「ひ、博臣先輩〜そんなことより助けて下さい……」
「ん? どうした、俺が触れるのはダメだったんじゃないのか?」
確かにそうなんだけど……
今はそんなこと言ってられない。
「華菜? 本当にどうした?」
「あ、あの……です、ね……倒れた時に背中を強く打って……それで、痛めたみたいで……」
「……冗談……」
「……じゃないです」
「悪い……」
「今はそんな言葉いいので、手を貸してもらえませんか?」
「あ、あぁ……」
そう頷いて博臣先輩は私に手を差し出した。