第37章 今、<答え>を伝える時

美月と華菜の言い争いはまだ続いていた……。

けれどーー……

「私は……先輩のこと、信じてますから……」

(……っ! 華菜……)

彼女のその言葉で美月との言い争いがヒートアップしてしまう。

「信じてる……、なんて……そんな不確かなものを信じるなんてどうかしてるわ。 人は簡単に裏切る生き物なのよ。 それを、バカみたいに『信じる』なんて、貴女が傷つくだけよ?」
「それでも、私は……信じます。 博臣先輩は約束してくれましたから。 だから、私が欲しい<答え>をくれると……信じてます」
「華菜……」
「……兄貴は私の兄貴なのよっ!」
「……美月」
「私の兄貴なんだから……!」
「……それだけですよね?」
「……は? どういう意味よ」
「美月ちゃんにとって博臣先輩は『お兄さん』ってだけでしょ。 それ以上でも以下でもない。 違いますか?」
「違うわ‼︎ 私にとって兄貴は一人の異性として大好きなーー……」
「……もし、美月ちゃんにとってそうだとしても、博臣先輩は違うと思います」
「そ、そんなことないわよ‼︎ だって兄貴は私を……」
「……博臣先輩。 <答え>を下さい。 ……先輩が決めた、全ての<答え>を。 ……先輩は私と美月ちゃん……どっちを選んだんですか?」

華菜からのその問いかけに俺は<答え>を二人に伝えることを決めた。