第32章 モヤモヤした気持ちは晴れないままで……
「とりあえず、帰る準備をして……っと。 えっと、春野さんはどうする? 部活には行く?」
「ううん。 今日はやめておく」
「そう。 じゃあ、僕から美月のほうには伝えておくよ」
「ありがとう」
「いいよいいよ。 僕も今日は博臣に話をするために探さないといけないから部活休むからついでだよ。 それじゃ、今日はこれで」
神原秋人はそう言って教室を去って行った。
「私も今日は寄り道せずに帰ろ……」
帰り支度を済ませた私はカバンを肩にかけ教室を出て下駄箱置き場に向かって歩き出した。
…………
……
そして、下駄箱置き場に着き靴を履き替え歩き出した先に人影が一つ。
「……っ⁈ 美月ちゃん⁉︎」
そこにいたのは今部室にいるはずの美月ちゃんだった。
「ちょっといいかしら? 話があるの」
真剣な瞳で美月ちゃんからそう言われたため、私は断ることなんて出来なくて頷くしかなかった。
このあと彼女の口から告げられる言葉は、私にとって『この先を不安にさせるもの』だということを、この時の私はまだ知らない……。