第3章 幼馴染「徳川家康」
桜咲く四月。
新学期、新学年。
一年間、着慣れた制服に着替え。
(クリーニング出したからかな?)
パリパリ感が真新しく感じる。
私、姫宮ひまりは
戦国学園に通う、高校二年生。
春の陽気に浮かれ部屋の窓を開ける。桜の花弁が部屋に舞い込むのを目で追いながら、大きく伸びをして春風の空気を吸い込んだ。
「いい天気〜まさに、春真っ盛り」
胸を踊らせ学校に行く、準備を始める。
早く高校生活に慣れようと頑張っている間に、あっという間に一年が過ぎていて……
高校から始めた弓道もこの春から選抜選手に選ばれ、試合に出して貰えることに。
ワクワクドキドキの一年が始まる。
そんな予感がして、気合い入れにリップを薄く塗り鏡の前で最終チェック。
(後は筆箱とノートを入れて完了!)
「くまたん、行ってくるね!」
ベット上に座るお気に入りぬいぐるみの頭に触れ、リビングに向かう。
「あれ?珍しく早起きね」
「今年は無遅刻無欠席、目指すからね!いっただきまーす!」
手を合わせ、大好きなオムレツを口に頬張る。
(美味しい〜〜)
フワフワの卵に小さな幸せを感じてしまう、単純な私。
「今日の魚座の運勢は……」
自分の星座に反応して、思わずテレビに視線を向ける。
恋愛運ばっちり。
身近に運命の人が!
ラッキーアイテムは手紙。
(手紙……?)
手紙を渡したらって事かな?
それとも貰うのかな?
う〜〜ん…。
そんな事を考えながら朝ご飯を食べ終わり、お弁当を受け取ると……
「行ってきまーーす!」
玄関を飛び出した。