第211章 『angelの誘惑』後編※R18
ギシッギシッギシッ!!
「あ、ぁあ、ぁぁっ…!!」
「これ、がっ……シテ欲しかったんでしょ?」
素直にコクコク頷くひまり。
クプッグちゅ……グッ、グッ…グチュグチュ…
「は、あぁ、ぁ、んっ…あ、っあ、あぁん」
「他に、っ、は……何して欲しい?」
限界が近づき、腕を強く背中に回して、もう片方の手で顎を持ち上げれば……
「キ、スして、欲しい……」
「それは、駄目。風邪、移したくない」
咳もくしゃみも一応出てないけど、唾液交換はまずい。他にして、そう言うつもりで顔を近づけたら、唇に柔らかい感触が掠め……
「……お、ねがい」
「っ!!……なら、今度は俺がいくから」
ひまりの乱れた髪を整え、
「……診察をしに」
一気に欲望を突き上げた。
図書室___
「はぁ………」
盛大なため息が、
静まり返った室内でよく響いた。
「え?ひまり先輩。早退されたのですか?」
俺が風邪引きたかった日に、ひまりは昼から微熱で早退。目標の無遅刻、無欠席は維持出来たみたいだけど……。
テストは明後日。
多分、別室で受けることはないだろう。
ただ……
「ほぉ。仲良くやってるみたいだな」
ポケットに片手入れて、肩に背広乗せて、優雅に気取って現れた織田先生、もとい鬼。
俺は、カウンターで肩肘ついてそっぽを向く。
「車内で、ぐったりしておったぞ」
ムスッとして、無視してんのに……
「……襲って欲しそうに、荒い呼吸して、な」
あの姿には、流石に俺も誘惑された。
また、頭が血が上りそうになる。
ギロッと睨み返せば、ニヤリと上がる口角。
「家康先輩。折角ですから、何か書物を読まれては?」
「なら三成、持ってきて。催眠術でもなんでも、いい」
俺以外の男を、誘惑しなくなる方法。
それが、載ってるヤツ。
〜angelの誘惑〜fin〜