第211章 『angelの誘惑』後編※R18
グイッ。
荒い手つきでブラを捲し上げ、
「ひあっ…!!」
胸の先端を口に含まれて、思わず目の前の頭にぎゅっとしがみつくと、ちゅば、ちゅばっと、羞恥心を煽るような音が出して強く吸いつかれ、一度失いかけた、疼きが奥から蘇り……
(家康の頭、あつい……)
「他のヤツに、こんなことされたらどうすんの?」
風邪を引いてるからか、だんだん家康の声がひどく掠れてきて、余計に怒ってるように聞こえて……
「それとも、されたいの?」
本格的に目頭がじわじわきて……
「はぁっ、ぁん…、あ、っんん…」
それなのに身体は、胸の先端を二つ同時にキュッ、キュッ、と強く摘まれ、擦られ、引っ張られて、甘い痺れと電流が走るような快感に、堪らずはしたない声が、部屋に響く。
「そんな可愛い声。聴かせて誘うの?」
ふるふる首をただ横に振る。先端を舌に乗せて、覗き込む欲情と嫉妬にまみれたような家康に、
ゾクゾク背筋に何かが走って……
ピクンッと跳ね、力が抜けて……
ストンと膝の上に、腰が落ち……
「ひまりのそんな格好見たら。……誰でもこうなるんだけど」
硬く反り立つモノが、
ショーツ越しに伝わる。
そしたら途端に……
「も、う……着ないから」
家康が怒っている理由がちゃんと分かって、このナース服はやめて、違うのにするって約束するからと、しゃくりあげながら、訴えて……
「だから、もうお、こらないで……」
じわっと、何度も浮かびかけた涙が今度こそ溢れ、お願いをする。
「家康にだ、け。っ、く。…い、えやすにしか、…見せな…い」
ごめんなさい。
両手で目を覆い、グズグズと泣く。
看病しにきたのに、怒らせて、風邪も悪化させて……
「こ、んなつもりじゃ……。ご、めん…な、さい」
すると家康は、
やんわりと私を抱き締め。
コツン。私のおでこに、
薄くなった冷却シート。
「……いい加減、自覚して」
ひまりが
誘惑していいのは、俺だけ。
まるで小さい子をあやす様に頭を撫でられ、背中をとんとんと叩いてくれる。
耳に届いたため息。
「……これだと、どっちが病人かわかんないし」
温もりと声が優しいのに戻って、
私は安堵した。