第4章 7月
七夕の日・・・・・・は雨。
雨だなんて、彦星と織姫は会えたのでしょうか。
「悲しいですね、雨だなんて」
窓から外を見ながら和也君に聞いたけど、
和也君からは「んー」という返事しか来ない。
「ねえ、聞いてます?」
「んー」
すっかり三人から貰ったゲームに夢中です。
悔しい。
だって、会えてるのに。
まあ、わがままは言えませんけど。
どうせ「んー」しか来ないなら
遊んでみようかな。
「聞いてないでしょ」
「んー」
「お願い事したのに」
「んー」
「幸せにしてくれるんですよね?」
「んー」
もう。
「あれは嘘ですか?」
「んー」
ズキンときた。