第10章 1月
玄関に入ったところで膝をついた。
眠ってるあおさんを起こすわけにもいかないと思ってたくせに、ドンッと音を立ててしまった。
もともとこんなに飲む人間じゃないんです・・・和也君は。
それなのについ周りに流された。
加藤さんなんて、あんな顔しておいてどんだけ飲むことか。
「わ!和也君っ!?」
上で、あおさんの声がする。
やっぱり起こしちゃいましたか。
「どうしたんですか?」
「ごめん」
「飲みすぎです」
「うん・・・」
「周りに流されたんですね・・・」
「・・・・・・」
わかってくれてる。
相葉さんの言うとおり、うちのあおさんは理想ですよ。
「とりあえず・・・ほら、靴脱ぎましょう?」
「ん・・・」
されるがまま。
意識がもうろうとしてて、支えてくれてるあおさんに申し訳ない。
まあ、奥さんだし、いいか(笑)
三時なのに、ごめんなさいね・・・。
「はい、お水です」
「うん」
ぐでんぐでん。
頭がぐるぐるぐるぐる回る。
あーあ。かっこわりぃー私。
「少し、目、覚めました?」
「うん・・・」
「ふぅ」
冷たいお水を飲んで、あおさんが張ってくれた冷えピタのおかげでだいぶもとにもどりつつあります。
「お疲れ様です」
「ごめんなさいね?こんな時間に」
「いえ。大丈夫ですよ」
「ん」
ソファに深くよしかかっている私の下で、
あおさんは床で正座してる。
こんな上から目線ですみません。