第20章 番外編 君の名前
マ「大野さん」
智翔「ん?」
マ「あ あー すみません 翔さんのほうです」
翔「ああ ごめん」
翔くんは 『大野翔』になった
櫻井は 芸名としてそのまま使ってる
普段は『うちの大野が』なんて言ってるけど
たまに気が緩むと 大野で返事をしたりする
翔「どうかした?」
マ「姫が」
智「あいつになんかあったのか!?」
翔「落ち着いて 智くん!!」
智「落ち着いてられるか!」
マ「いや 何もありませんよ 落ち着いて下さい だから翔さんのほうを呼んだのに…」
翔「あの子がどうしたの?」
マ「メイクとスタイリストが遊んでしまって…もうどうしようもないくらい可愛いんですけど」
智翔「は?」
カチャリ とドアが開いて
ふわふわの巻き髪に ピンクのワンピース
くりくり くっきり二重のドングリ眼
キュッと結んだ 厚ぼったいアヒル口
「さとしくん しょおくん どぉ?」
ふんわり微笑みを おいら達に振り撒いて
たたた と走り寄ってくる
おいらと 翔くんの
おいら達 みんなの 宝物
「こころ!!」
大切な 大切な娘 こころ