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秘密

第10章 好きのかたち


抱きしめられた腕の中

溢れてくる涙で何も言えずにいると…


「おかえりで…ええんやろ…?」


そんな少し不安気な

すばるくんの声が聞こえてくる…



そんなすばるくんの背中に

腕を回しぎゅっと抱きしめ返し



「ただいま…(笑)」



そう言って笑うと…



「待ちくたびれたわ(笑)」



なんてすばるくんは

ため息をつきながら私の肩に頭を預ける…




「すばるくん…?」



「ん…?」



「私…

すばるくんのことが好きです…

ほんとにほんとに大好きです…」



すばるくんを好きだと気付いてから



ずっと素直に言いたかった言葉

ずっと素直に言えなかった言葉



自分の素直な気持ちを

相手にぶつけるのは


すごく勇気がいるし

すごく怖い



でもこの先


どんなに傷付いて

心や体がぼろぼろになったとしても


自分の気持ちを誤魔化して

逃げることは二度としたくないから



まっすぐな気持ちを

まっすぐな言葉で


包み隠さず伝えるんだ…



そんな私のまっすぐな告白に対する

すばるくんの返事は




「あほか…(笑)」


そんな優しくない言葉と一緒に


ゆっくりと近付いて

触れあった唇から伝わる熱や優しさが

すべてを伝えてくれた…

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