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秘密

第6章 すれ違い始める気持ち…


朝目が覚めて…


隣で眠るすばるくんの

無防備な寝顔に


きっと目を覚ましたらまた


"お腹すいた…"


なんて甘えた声を出すんだろうな…


なんて思うと


不思議と顔は笑顔になっていて

心がぽかぽかと温かくなるのを

感じる…



今日は何を作ってあげようかな…?



なんて

冷蔵庫の中身を思いだし

考えていると…


布団の中でごそごそと

体が動いて

すばるくんがゆっくりと

ベッドから体を持ち上げる…



そんな少しまだ眠たそうな顔に


"おはよう"


そう言おうと投げ出されたままの

すばるくんの手に触れると


なぜかびくりと小さく手が震えて

振り返り私を見つめた

すばるくんは

昨日と同じ

悲しそうな表情を張り付けたまま



「ごめんな…?」



小さな声でぽつりと呟く…



そんなすばるくんの言葉に

私はやっと気付いたんだ


全てが私の勘違いだったんだってことに



昨日私とすばるくんは


お互いがお互いの

傷を癒すために体を重ねただけで

そこには


同情も…

愛も…


感情さえも

何にもなかったんだ…



そう気付かされたから


言いたかった


"おはよう"


の変わりに


"忘れましょう…"


そう精一杯の笑顔で伝えた…
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