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君と紡ぐ100のお題

第2章 red




「…いや、居なかったら居なかったらで
 帰ろうと思ってたから」

「そ、っか」

「………」
「………」



どうしよう、
明らかにいつもと様子の違う翔くん。



ついこの間、弱味を見せてほしいと
言ったばかりだけど
まさかこれは弱っているのだろうか。



いざそうなると、



「……(何をしていいのか全くわからない)」



「…しょ、翔くん、ご飯食べる?」

「…や、大丈夫、食べてきた」

「…あ、もしかして酔ってる?」

「うん、せいかーい。」


といつもの元気はなくフザける彼。




意外と聞けないものなんだな、
何があったの、だなんて。




でも、そんな時に
私を訪ねてくれたことが
嬉しくて、


翔くんを後ろから抱き締めた。




「……どうしたの、珍しい」

「…ふふ、そうかな」

「うん、いつも俺ばっかだよ」

「そんなこと…あるか」



いつも翔くんが私をこうやって
抱き締めてくれるから
私は私でいられる。













「…翔くん、いつもありがとう」

「………」

「…またこうやって、
 突然家に来てくれたら嬉しいです」





翔くんに回した腕を離されて
彼がこちらを振り向くと
見つめ合う間もなく、引き寄せられた。





「ちゃん…
 傍にいてくれて、ありがとう」








私が翔くんの居場所になれるなら
毎日黙って抱き締めるから。



END.









「家にちゃんが1台欲しい」
「私は家庭用ではありません」

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