第1章 blue
お風呂から上がって
いつものように先にベッドに
横になる彼の隣へ。
一人暮らしのシングルベッドに
2人で入るのは
必然的にピタッと体が触れ合って。
私が入ってきたことに気付いた彼が
身体の向きをこちらに変えた。
息づかいも聞こえるくらいに
近いこの距離で
彼がいつもとは違う
熱っぽい視線を私に向ける。
抱きしめられた彼の体温、
「」と切なくなる程
小さく呟いたその声が
私の心臓をギュッと掴んで。
「…さ、としくん?」
私の首元に顔を埋める彼の背中に
優しく手を回した。
彼が私から少し離れると
今にも泣きそうな、
そんな表情で
私の額、頬、唇、首筋、
あらゆる場所に
少し長いキスを落としていく。
段々とそれが深いものに変わって
気付けばさっきまで
身に纏っていたはずのものは
脱がされて。
その行為に夢中になっていると
「…だけでいい」
だけ居てくれれば、
と、耳元に触れる彼の唇。
END.
そんな夜は
彼を抱くようにして目をつむる。