第1章 blue
さっきまで皆がいたはずの楽屋。
順々に人がいなくなると
さっきまでふにゃ、
と笑っていたはずの彼の目が
急に細まる。
なんとなく空気に耐えられなくなって
「帰ろっかな」と荷物を準備し始めると
その手を掴まれて。
「…何?急に意識し始めたの?」
なんて珍しいことを言う。
「…や、あの、智くん」
「何?問題なくない?付き合ってるし」
とその怪しい視線で
ジリジリ近づいてくる。
「だ、誰か来るかもしれないし」
言いかけた言葉に
ニヤリと笑って
「それはそれで燃えるかも、ね?」
と私に同意を求めるように
いつもの可愛い顔で
服のボタンを1つずつ外して
「…油断したが悪いの」と
そのまま私の膨らみに顔を埋めて
キスを落とす。
END.
「…さ、と」
「…声は、我慢…ね?」