第1章 blue
「知ってる?」
「え?なにを?」
智くんが突然質問をぶつけてくるのは
いつものこと。
「ちゃんと会わなくて3カ月記念」
「…はて、そんな記念、あったでしょうか」
「うん、でも今日会えたから
その記念は昨日で終わってしまいました」
つまり、昨日は智くんと会わずに過ごして
3か月だった、ということだろう。
長かった…
もはや季節も変わりかけたころ
ようやく予定が合い、
こうしてまたゆっくりお家デート。
どうりで久しぶりに見た智くんの
髪型が変わり、何となく見慣れない。
「髪の毛、切ったね。」
「うん、前髪どう?」
ふふふ、と智くんが笑う。
「うん、可愛い」
「こおら、違うでしょうが」と
智くんが私の頭をポンと叩く。
「ああ、かっこいい?」
「ぷっは、言わせたなオイラ」
「んふふ、うんカッコいい」
「…ねえちゃん?」
と智くんが私にゆっくり近づく。
あと1ミリ。
唇が触れる、その少し前。
寸前で止められた私はお預け状態。
そんな私にかすれた声で囁く。
「今夜は楽しみだな」
END.
「え?パーティーでもするの?」
「…(まじか、
相葉ちゃんみたいなこと言うのか)」
「飲み物買ってこよっか」
「うん、そうしよっか
(よし、お酒の力をお借りしよう)」