第5章 purple
「…好きな人が好きだった人の名前口から出すのは、わかってても、やっぱりイラつく。…ってさんは俺がソラとかリオとかマユミとか女の名前出しても何にも思わないわけ?」
だ、誰ですかその人達…。
「…う、うーん、因みに…誰です?
その名前の方達は…」
前の彼女、だったら…
ちょっと…いやどうなんだろう。
モヤモヤした気持ちを抱いて
松本くんの答えを待つと、
彼が気まずそうに白状した。
「…い、や、それはまあ
AV女優さん…の名前をお借りしただけで」
松本くんの口から
思ってもみない答えが出る。
松本くんが………
「え、えーぶい見るの…?」
嘘、想像できない…なんだろう、
意外すぎて…普通の男子すぎて
面白すぎる…!
「いや、やっぱ、昔は、ね?」と
松本くんがニヤけるように言う。
「あはは、意外すぎて凄くいいよ!
なんか今ので益々好きになった」
みんなは知らない、男の子の松本くん。
私だけに見せる顔。
それだけでこんなに嬉しくなる。
…内容は内容だけど。
END.
「どうやったら妬いてくれんの?」
「え、わざと妬かせるつもり?」
「よし、頑張ろう」
「勘弁してくださいまつもっさん」