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君と紡ぐ100のお題

第4章 yellow






2人きりになった楽屋で
ソファーに寝転んで
あまりにもリラックスモードな彼に
「じゃあ私行くね」と告げた。


「え?あなた帰るの?じゃあ私も」と
体を起こす彼に驚いた。

「い、やいやいやいや
 カズ、一緒に出たらダメだよ」

一瞬首を傾げた彼が「ああ、なるほど」と
少し不機嫌に。



2人きりで帰っている姿なんて見られちゃ
あなたのアイドル人生が変わってきます。



そんな彼を見て、ふふ、と笑いが漏れた。


「帰ったら連絡するね」

「…あっさりしてますね、あなた」

「あはは、ごめんごめん」



知っている。
私は結構あっさりした性格らしい。






「じゃあ、先に行くね」と
バイバイの意味で手を振ると
その腕を捕まれて


「…わかんないかなあ、男心、」


なんてソファーに座った彼が
上目遣いでこちらを見つめるその口元は
小さく緩んで。



「私といいこと、しません?」




彼の手が私の腕から指先へ
滑らかに移動して
わざとらしく絡める指。

その意味深なセリフと
得意な怪しい表情のせいで
触れられた部分が
段々と熱くなるのがわかる。




「あら?やっとわかってくれた感じ?」

私の反応を見て喜ぶ彼。



「カズがそんな風にするから」

「うん、わざとだもん」


女子が言えない小悪魔なセリフを
次々に言う彼の悪い女子力には敵わない。



絡められた指がまた私の腕を掴んで
力強く引かれると
そのまま2人でソファーに倒れて。









END.




「…カズ、もう帰えろ」
「…ねえ、俺まだ元気」
「ば、ばかずなり!」
「はいはい」


彼との楽屋はなかなか帰れない。

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