• テキストサイズ

君と紡ぐ100のお題

第4章 yellow







頬に冷たい何かが当たり
「」とかすれるくらいの
小さな声で呼ばれた気がして
目を開けた。


暗闇の中、開けたばかりの私の目は
その環境になれなくて
近くにいるぼやけたシルエットを
目で追うのが精一杯で。



ふふ、と笑われたその声で
目の前にいるのが彼だと気づく。


「…ゆめ、」


なにソレ、と言われた後に
何度か唇に柔らかい感触が乗った。


リアルすぎるそれに
ああ、これは夢じゃないんだ
と理解した。


暗闇に慣れてきた視界が教えてくれる。
上着を来たままの彼が
帰ってきてすぐここに来たんだと。




「メリークリスマス」と
ふざけたように笑って言う彼に
「どうしちゃったの?」と聞いた。



そんなセリフ、
恥ずかしがって
なかなか言わないのに。




「いや、たまには、
 頑張ろうかなって」

「…ふふ、うん、ありがとう」




そうだ、ほらサンタさんから

と私の頭の上に視線を送る。



右上を見るとそこには
見覚えのあるブランドのボックス。






手を伸ばしてソレを取り
「…開けていい?」と確認の視線を送る。



「どうぞ」



ボックスを開けると
中にはシャンパンゴールドの時計。



「欲しかったんでしょ?それ」

「な、なんで知ってるの」



二宮くんに欲しいものなんて
言ったことがないのに。




「ふふ、私が
 サンタクロースだからじゃない?」



そう言ってまた顔を近づけ
優しく唇を重ねてくれた。




何度も


何度も




角度を変えて。








END.





「ねえ、二宮くん時計をくれる人って
 独占欲が強いんだって」
「へえ、じゃあそれ返して」
「や、やだよ!
 …あ、私もプレゼント時計にしようかな!」
「やだ、ゲームがいい」
「…うん、そうしましょう」

/ 449ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp