第3章 gleen
雅紀くんの隣は居心地が良くて
つい眠くなってしまうんだ。
ソファーに座って
ファッション雑誌をめくる雅紀くんの隣で
うとうとし始める私。
それに気づいた彼が
ふふ、っと笑う。
「眠いの?ちゃん」
「…あ、ううん、…」
「…眠る?」
「…う、ん」
雅紀くんが私から少し離れて
ソファーに座り直す。
ポンポンと自分の膝を叩いて
「どうぞ」と私に枕を提供した。
彼の笑顔のせいで
ボーっとしていた頭の回転が
少しだけスッキリしてしまう。
「……」
黙って膝にお邪魔する。
雅紀くんに後頭部を見せるようにして
右耳を膝にのせると
さっきまで眠たかったはずなのに
私の目は、パッチリ前を向いていた。
「………」
パラパラと雑誌をめくる音。
私の髪に優しく触れる彼。
また眠く、なってきた…
そう思ったのに。
「好きだよ」
起きているのを知ってか知らずか
ポツリと呟いて
リズムよく私の頭を撫でてくれる。
その触れる手の優しさと甘い声のトーンに
また眠れなくなった私。
雅紀くんの隣では
眠れない。
END.
「…雅紀くん…私も」
「………………ZZZ」
「…(うん、ないすオチ!☆)」