第17章 後輩ー智ー
侑「櫻井くんも…気付いてますよね 大野くんが誰を見てるか」
解らないはずがない
俺だって 智くんを見てるんだから
翔「…知ってるよ それこそ君が見てたよりずっと長く大野を見てるんだからね」
侑「櫻井くんも…」
俺の言葉で
お互いに想いあってる ってのは流石に気付くか
まぁ そこはバレても問題にはならない
侑「お互いに…伝えないんですか…?」
翔「伝えてどうする?自分達の存在意義なんて嫌ってほど理解してる その上で伝えて起こりうるリスクだって理解してるさ」
侑「ボクは…大野くんにボクを見て欲しくて…でもいくらそう思ってても大野くんはいつも櫻井くんを見てて…」
翔「…それでも?」
俺の言葉に コクンと小さく頷いて
侑「それが恋愛感情だっていうならそうなのかもしれない ボクは…大野くんが好きなんですね」
翔「…そうだね」
俯いたまま 暫く黙って
ようやく顔をあげた彼の瞳は
今まで見たことないくらい 強い意思を持った瞳で
侑「気持ちは伝えません でも諦めません」
翔「…」
侑「ボクを見てもらえるように頑張ります …ボクが櫻井くんより凄い人間になったら可能性は有るかもしれない そこを目指して頑張りますよ」