第13章 強さ。
サクモさんが部屋に戻ると、は文字の練習を始めていた。読みより、書きがやはり、上手くいかず、いつも戸惑ってしまう。
筆を握っても慣れずに震えてしまう。
「ダンゾウ様に⋯招待状を⋯⋯っ」
辞書とにらめっこして、紙とにらめっこをして。
ふと、ただいまぁと、玄関から声がして目をぱちくりぱちくりする。
え?
サクモさん?
いま、サクモさんの声がした?
警戒しながら立ち上がると、にこにことしてサクモさんが茶の間に顔を出す。
「なんだい、びっくりした。居ないのかと思ったよ⋯ただいま」
「おかえ、りなさい、ませ⋯????へ??」
「え?」
「え、?あ、お部屋に戻られたんじゃ?」
「えぇ?僕は今帰って来た、けども」
「ええええ!?いえいえ、今さっきまで私とお夕食食べていましたよね?」
「ええええ!?僕お腹すいてるけど夕食ないのかな!?」
「えっえっええぇぇぇ⋯いえ、だって、サクモさんだと、えぇぇぇ?」
ふらりとするを抱き抱え、サクモはグルグルと考える。
一つの結果にたどり着き深くため息をつく。
「その人は僕にそっくりだったのかい?」
「そっくりも何も⋯サクモさんでしたよ?」
「君が間違える程だ、なら、一人しかいないね」
「ど、どなたですか!?」
「火影様だよ」
は目をぱちくりぱちくり。
火影様?
あの納戸にぎゅうぎゅうになるまで食料を送ってくださったり、私が住めるようにこの場所を与えたり、妊娠した私を死罪しなかった火影様?
「ほ、火影様がどうして?」
「さぁ、でも、きっと君が心配だったんだろうね」
ゆっくりと、座る。
サクモは手を洗って、コンロの上の鍋の中身を見てほくほくとする。
「心配、ですか?」
「あぁ、火影様は君が心配で心配で、よくオビトくんが八つ当たりされてるからね」
「な、何故オビトさんが!?」
「そりゃぁ、オビトくんが過去に君にお熱だった事があるからだよ、ねぇ、これは食べていいの?」
「あ、あぁ、今私がよそいますよ」
「いいよ、これくらい僕にも出来るよ」
「⋯す、すみません⋯と言うより、お熱とはなんですか?」