第11章 【裏】見えない優しさ/ナッシュ・ゴールド・Jr
「…んっ、やめて…ふ、っ…ナッシュ…っ、」
「こんなに濡らして、腰を動かしてるのに、やめてだ?もっとの間違いだろ?」
ナッシュの言うように、私の秘部は刺激を求め、愛液を垂らし、腰を揺らし、ナッシュを強く求めていた。
淫らな水音が、私の喘ぎ声と共に室内に響いた。激しくなる指の動きに、私は体をナッシュの胸に預け、そのまま倒れた。肩で息をし、乱れた呼吸を整えようとしたが、間髪入れず、ナッシュは再び私の弱い部分を執拗に刺激した。それに私の体は痙攣を始め、再び体を弓形に反らしオーガズムを迎えた。けど、ナッシュは私を許してくれなかった。何度絶頂を迎えても、ナッシュはそれを止めなかった。強過ぎる快感に、自然と涙が零れた。口ではイヤだと、拒否する言葉を並べたが、何度も絶頂を迎えるうちに、呂律も思考も上手く回らなくなり、ただ与えられ続ける快楽に流された。
どれ位の時間、ナッシュに膣内を弄られたか分からないが、ナッシュの指が引き抜かれる頃には、床は私の体液で水溜りが出来ていた。そしてベッドに押し倒されると、ナッシュの表情は苛立ちを抑えられない。そんな表情をしていた。
「…ナ、…シュ…。」
「悪い夢だったと思って全部忘れろ。何も考えられない位、俺に溺れろ。」
先程挿れられた指とは比べ物にならない位、太く熱を持ったナッシュの肉棒は一気に私を貫いた。幾度となく絶頂を迎えさせられた私の体は挿れられただけで、イってしまった。
「ヌレヌレだな。」
「…や、っ…ああ…っ!ふ、…っ…!」
激しく打ち付けられる腰に、何度も意識が飛びそうになった。考える余裕も無い位、ナッシュの熱に絆された。次第に私の口からは否定する言葉は出なくなり、ただただ、ナッシュを求め、ナッシュに求められ、その胸の中で啼き続けるだけの女になった。
長く濃厚な性行為、寸前の所で保たれていた意識は視界がぐらりと揺れ滲んだ。大好きなナッシュの香水の香りに混ざる男女の体液の匂い。消え入る意識の中、泣きそうな声でナッシュが私の名前を呼んだ気がした。
「…泣い…て、るの?」
私はその答えを聞けぬまま意識を手放した。