第1章 学校に行かない理由
「なんで…私がイジメに遭わなきゃならないのよ…」
そう呟いたと同時に家のチャイムがなった。
「誰だろう…」
―スタスタ―
―ガタッ―
「華菜」
「総悟…」
「学校、行きやせんか」
「……」
「みんな心配してやすよ」
「ごめん…」
「華菜…」
「行きたくても行けないよ…」
「……」
「みんなが心配してくれてるのはわかってるよ…」
「……」
「神楽ちゃんやお妙ちゃんや山崎や土方までメールくれたり会いに来てくれたりしてるから…」
心配してくれてるんだってわかる…
「なら…」
「でも…無理だよ…」
「華菜は俺が守りやす…いや、俺たちで守りやす」
「総悟…」
「だから…」
「ごめん…もう少しだけ時間くれないかな…」
「わかりやした…。華菜がそう言うなら今日は俺1人で行きやす」
「わざわざ来てくれたのに…ごめんね、総悟…」
「気にする事ねーでさァ」
「ありがとう…」
「じゃ、行って来やす」
「行ってらっしゃい…」
「じゃーなァ」
そう言って総悟は歩いて行った――。
総悟が去った後、私は家の中に入った。
―ガタッ―
「総悟に悪い事しちゃったな…」
私…
強くならなきゃ…
みんなに守ってもらってばかりじゃダメなんだよ…
自分の身は自分で守らないと――。