第11章 ヤキモチと本音
次の日は昨日の事がウソだったかのように
いつも通りに接されて、少し拍子抜けした感じがした。
放課後の誰も居なくなった教室でバタバタと支度している
由佳に昨日のCDは何だったのか聞いてみると、
元のCDケースと歌詞カードを渡された。
その曲たちすべてに、蛍 が付いていた。
蛍火やただのホタル。
タイトルは
この夏ぴったりの蛍特集だった。
去年の物のようだ。
「これ、わざわざ聞かせたかったワケ?」
「うん!いい曲あった?」
「別に…特には…」
「えー!10曲目の蛍火とか好きなんだけどなぁ。そうかぁ…残念」
それからは普通に部活して…
そんな日々が過ぎっていった。
好きとも伝えられず、伝えられてなく…。
中間テストが近づいたその時キャプテンから
赤点取った奴は試合に出さない
と言われ、
僕達は日向と王様の面倒を見なくちゃならなくなった。
めんどくさいと思いつつ、仕方ないと諦め、
どこで勉強会をするのかとなった。
僕達がそっちに行くのは面倒だから嫌だし、
僕の家は絶対嫌だと伝えたら
何故か由佳の家に決まった。
それはそれで癪に障るのに…。