第1章 監獄への招待
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準備を終え、コフィンへ搭乗する。
「まぁ、いつも通り、軽~くミッションクリアしてきたまえ! 今回は同行サーヴァントも、キミと一緒に転送させるからね。大船に乗った気でどーんと構えてね!」
「センパイ、離れていても、通信で繋がっています。先輩のサポート、任せてください!」
ダ・ヴィンチちゃんとマシュが、笑顔で見送ってくれる。
耳に届く、いつものアナウンス。
『アンサモンプログラム スタート。
霊子変換を開始します。
レイシフト開始まで、 あと、 3、 2、 1……
全行程 クリア グランドオーダー 実証を 開始します。』
白んでいく視界。そんな中で、不穏な声が耳に届く。
「あれ!? 数値が突然、乱れて……!?」
「も、目標、変動座標点0号ではない地点へ、再設定されて……!」
カルデアスタッフの、声……?
「間に合わないか! マシュ! 急いで変数固定のプログラム!!」
「はい! あ、ダメ……! 間に合いません……!」
いつもと違う、どこかへ飛ばされる感覚。大切な何かが、私の手から零れ落ちていくような感覚。
最後に、マシュの悲鳴にも似た声を聞いたところで、私の意識は途絶えた。