第10章 補完&後日談
『――――――、パイ……!! ン、パイ……!! きこ、ます、か――――!? 返事を、してください!!!!』
刹那、悲鳴にも似た声が、辺りに響く。
(嗚呼、間に合った―――――!)
男の口元は、微かに弧を描いていた。急速に崩壊していく霊基。しかし、男の胸には、溢れんばかりの希望で満たされていた。
『マシュ、代わって! 座標は特定できた! こちらカルデア! 状況の詳細は不明だが、異常事態なのは間違いない! 強制レイシフト、プログラム実行!! マスターと、サーヴァント1騎、強制サルベージ!!』
男の意識は、カルデア司令官代理の声を聞き届けた瞬間に、ぷっつりと途絶えた。