第7章 終・嘘つきとさよなら
風夜「ルナ!!!!」
『ッ…!』
風夜がルナの手首を掴んで止めた瞬間、ビクッと分かりやすいくらいルナは震えた
風夜「…戻ろう? ルナ…」
『…嫌だ…』
風夜「…何で」
『嫌だッ…!!』
風夜「…八つ当たりの次はワガママかよ…」
『何だと!!? もう一回言ってみーーー…!!?』
ルナは勢いよく振り返った瞬間
温もりを感じた
風夜「…何が怖いんだよ…」
『ふう…や…?』
風夜に抱きしめられていた
風夜「…ここ一年くらい…、色々ありすぎて壊れちまいそうなんだろう…?」
自分が分からなくて
兄が思い出せなくて
好きだと言ってくれた真っ直ぐな陳が死んでしまって…
風夜「感情に押し潰されそうなのか…?」
自分が本当に、"自分"なのか分からなくて…